【マレーシア伝統舞踏】 インド系 3つのダンス

多民族国家のマレーシアでは、マレー系、華人系、そしてインド系マレーシア人が生活しています。マレーシアの祝いの席や行事では、様々な伝統的なダンスを見ることができます。その中で今回は、インド伝統舞踏  3種をご紹介します。

豊かな雨をもたらす踊り 「カラカッタム」

「カラカッタム」はインドの南部、タミル・ナードゥ州の都市タンジャーブル発祥と言われています。ダンサーは頭に水ポット「カラカム」を乗せて、バランスをとりながら軽快なステップを踏みます。サリー、クルサを着て踊るのが一般的です。
喜びと幸福を象徴する娯楽のダンス「アータ・カラカム」と、神殿でのみ上演される「サクティ・カラカム」の2種類があります。

もともと、このダンスは雨の女神「マリアンマン」と川の女神「ガンガイアンマン」に祈りをささげるためのものでした。タミルでは、この雨乞いの儀式で、母なる自然が豊かな雨を降らせ、収穫を保護すると信じられていました。現在は、一般的な行事や結婚式、家族の再会などを盛り上げるためにも披露されます。

マリアンマンと言えば、クアラルンプールのチャイナタウンにある「スリ・マハ・マリアマン寺院」が有名です。シンガポールにも「スリ・マリアマン寺院」がありますが、両方とも地元で最古のヒンドゥー寺院として知られています。

軍神 ムルガンの戦い「メイイラタム」

メイイラタム(Mayilattam)は、南インドのタミル・ナードゥ州とケララ州のヒンズー教の寺院で行われる伝統舞踊の1つです。「メイイル」は孔雀、「アタム」はダンスを意味します。名前の通り、パフォーマーは孔雀のような衣装で踊ります。糸で開閉する羽を背負い、足に長い木の棒を付けます。孔雀ダンスには難しい訓練と高いスキルが必要です。その複雑さにより、プロのダンサーの数は減少しているそうです。

この踊りは、スブラマニヤ神に敬意を表して披露されます。伝説によると、スブラマニヤは孔雀に乗り、弓で軍隊を率いて戦います。演目は、偉大なスブラマニヤを称えるために孔雀の格好をして踊る女性を表現しています。

スブラマニヤの別名はムルガン、スカンダなど。マレーシアの観光名所、バトゥ洞窟にそびえ立つ黄金の軍神です。新年のお祝い、タイプーサムの主役でもあります。

悪魔を鎮める少女たちの「コラタム・ダンス」

コラタム(Korattam)は、棒を使った「スティックダンス」です。名前のは、小さな棒を意味する「コル」と、遊びを意味する「アタム」という2つの単語に由来します。8〜40人のダンサーで構成され、若い女の子が棒でリズムを奏でながら踊ることが特徴です。

7世紀から始まったコラタムダンスは、ディパバリ後、10月から11月の新月に始まるコラタム祭の儀式に披露されます。ダンサーは、音楽のリズムに合わせて円を描くように動きながら棒をたたきます。

ダンスはバサヴァスラの伝説から生まれました。バサヴァスラはとても恐ろしい悪魔です。人々は、彼の邪悪な行為に怯えて暮らしていました。ある時、悪魔の前で若い女の子のグループがコランナルダンスを披露しました。魅力的な雰囲気と心地よい音楽が悪魔をなだめ、それからバサヴァスラは邪悪な行為をやめたといいます。「バサバ」は雄牛を意味し、ヒンズー教の神話ではシヴァの一種として見なされています。

いかがでしたか? マレーシアでは、年間通してインド系のイベントが目白押しです。クアラルンプールのリトル・インディアやマスジッド・ジャメ、バンダラヤでインドのダンスを楽しんでみてはいかがでしょう。

マレーシアポケット編集部

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