歩きたばこが禁止されている日本ですが、ここマレーシアでも飲食店の喫煙規制がはじまりました。2018年10月に保健省によって発表された喫煙規制は「すべてのレストラン、コーヒーショップ、ホーカーセンター、屋外の飲食店での禁煙を禁止する」というものでした。その後、12ヶ月の猶予期間を経て、2020年1月1日より喫煙に対する法律が改定されました。飲食店での禁煙が話題となっていますが、レストランのほかに「23の禁煙指定区域」があります。
マレーシアの喫煙の定義について
まずは、2020年1月1日に発表されている喫煙の定義について。マレーシア保健省によると「喫煙」の法的定義は
①通常のたばこ製品のほか、ニコチンが含まれるベイプ(電子タバコ)、シーシャ(水たばこ)、アーク(巻きたばこ)。
②吸入および任意タバコ製品の煙や蒸気を排出し、点火加熱、又は気化タバコ製品の保持又は使用。
とあります。
23か所の禁煙エリア
では実際に23ヶ所の禁煙エリアをみてみましょう。
- パブ、ディスコ、ナイトクラブ、カジノを除くすべてのエンターテイメントセンターまたは劇場
- 病院または診療所
- 公共のエレベーターまたはトイレ
- 飲食店またはエアコン完備のショップ
- キャンプ場、キャノピーブリッジの入り口/出口から5メートル
- 公共車両または公共交通機関ターミナル
- すべての空港
- 国立公園または州立公園エリアにある展望台
- 国立公園、州立公園を含むすべての公園
- キャンプ場
- 政府の施設
- 個人用または住宅用の建物以外の建設作業に使用されるエリア
- 教育機関または高等教育機関の任意の領域
- 保育園の任意のエリア
- スクールバス
- サービスカウンターがあるフロア
- 銀行または金融機関
Telekom Malaysia Berhad
Tenaga Nasional Berhad
Pos Malaysia Berhad - ショッピング複合施設
- ガソリンスタンド内のエリア
- スタジアム、スポーツ施設、フィットネスセンター、ジムのあらゆる場所
- 宗教目的で使用される建物または公共の場所
- 集会、会合に使用される建物(個人または住宅の建物、または公共の場所を除く)
- 図書館の任意のエリア
※上記の場所の「エリア」には、3メートルの周辺も含まれます。
このほかにもインターネットカフェ内の任意のエリア、ナショナルサービストレーニングセンター(PLKN)または集中空調システムを備えた民間オフィスなどの喫煙禁止エリアがあります。また、マレーシア保健省が禁煙指定している建物は次のとおりです。
- 世界遺産の都市 City of World Heritage
- ジャシン市議会 Jasin Municipal Council
- マラッカシティ Melaka City
- 歴史的なマラッカ市議会 Melaka Historic City Council
- マラッカラヤ Melaka Raya
- マラッカ国際貿易センター Melaka International Trade Centre
- ハン・トゥア・ジャヤ市議会 Hang Tuah Jaya Municipal Council
- アローガジャ・タウン Alor Gajah Town
- アローガジャ市議会 Alor Gajah Municipal Council
- ジャシン・タウン Jasin Town
- ジャシン市議会 Jasin Municipal Council
日本とは違う「屋内喫煙」と「歩きたばこ」の常識
喫煙を禁止されている区域を見ると、室内、または子供や家族が利用する屋外施設であることがわかります。日本では、歩きたばこが罰則化されていて、家のベランダでタバコを吸うお父さんも肩身が狭い思いをしています。そのため、日本で喫煙する際は、タバコの吸えるカフェやバーを利用したり、喫煙、分煙スペースを求めます。
かたやマレーシアでは、日本のように歩きたばこの規制はないので、歩道や屋外での喫煙は可能です。分煙や喫煙ブースに消極的なマレーシアでは、「喫煙場所のほうが多いのにわざわざ喫煙スペースを設けるのは国民の税金の無駄使いだ」と反対意見が上がっています。(歩道も公共の場だから禁煙区域だと主張する意見もありますが。)
1月11日時点のニュースでは、喫煙スペース設立に補助金を出すという政府の発表に50のNPO団体が反対を表明。「本来の喫煙者を減らすという目的と逆行してはいないか?」という厳しい意見も投げかけられていました。
白熱する禁煙論争ですが、禁煙指定区域の制定によって街中に喫煙スペースが設置誕生するのか。今後の動向に注目です。